Yahoo!ニュースより抜粋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091224-00000017-khk-l04
児童ポルノがインターネット上にはんらんし、売買を誘引する闇サイトが、被害とわいせつ画像・動画の拡散に拍車を掛けている。親が、幼い娘の裸体写真をネットを使って販売した児童買春・ポルノ禁止法違反事件を捜査中の宮城県警大河原署などは12人を逮捕・送検し、関係先から数万枚に上るポルノ画像を押収した。複製し、闇取引される画像の広がりは未知数で、知らぬ間に子どもが背負う被害の大きさは計り知れない。(報道部・遠藤正秀)
「あなたの行為は幼児虐待で、子どもの心に傷を残したことは間違いない」。仙台地裁の法廷で10月下旬、裁判官が被告席に立った兵庫県のパート職員女性(23)=一審有罪=を一喝した。
この女性は今年1月、携帯電話の闇サイトで知り合った堺市の無職女性(20)=同=から渡されたデジタルカメラで娘の裸を撮影し、約10万円の報酬と引き換えに画像を送信した。娘は当時、わずか2歳。小遣い稼ぎが目的だった。
大河原署が9日に逮捕した茨城県小美玉市、無職女(37)は、10年ほど前から娘(13)のポルノ画像の提供に協力。東京都北区、無職男(46)=同法違反の罪で起訴=から、300万円近い報酬を得ていたという。
同署の調べに、小美玉市の女は「娘が嫌がることはさせなかった。罪の意識はなかった」と供述しているが、同署によると、少女は幼児のころから繰り返されたわいせつ行為で、被害感情を持てなくなっているという。
県警幹部は「少女が虐待行為を受けて嫌悪感を抱かないのは、裏返せば今後の人格形成の上でより深刻なこと。家族や少女にとっての試練はこれからだ」と説明する。
大河原署が、今月上旬までの約半年間に逮捕するなどした母親らは1都6県の計9人。いずれも、出会い系や使用済みの下着を売買する裏サイトで知り合った男らと共謀し、娘や妹のポルノを製造したとされる。
一連の事件で、県警が押収した数万枚のポルノ画像の一部は、堺市の女性が販売していたことが判明している。ネット上で今後、どのような形で少女らの画像が流出するか想像はつかない。
「今回押収したのは、氷山の一角。出回ってしまった少女らのポルノ画像を完全に消し去ることは難しい」。県警幹部は、娘や妹を「商品」にした軽率な行為に憤りを隠さない。
甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法、サイバー法)は「世界的に見て、日本は児童ポルノに対する規範意識が低い。安易に第三者に売り渡すことで、大勢の人の目にさらされる危険性がある。子どもにとって、性的虐待に等しい行為だということを再認識すべきだ」と指摘する。
[児童買春・ポルノ禁止法をめぐる最近の動き] 警察庁によると、同法違反容疑で昨年、逮捕・送検されたのは全国で412人。インターネットの普及や匿名性から、犯行は増加の一途をたどっている。こうした状況を受けて、警察庁は今年6月、「児童ポルノ根絶に向けた重点プログラム」を策定。警視庁は11月、少年育成課に専従捜査チームを設置し、取り締まり強化に乗り出した。現行法は、個人が趣味で画像などを持つ「単純所持」を禁じておらず、欧米から対応の遅れが指摘されている。中井洽国家公安委員長は今月上旬、関係省庁による連絡会議を発足させる方針を示した。