Yahoo!ニュースより抜粋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000927-san-soci
警察庁が示した取り調べ適正化指針は、鹿児島事件などの再発防止策として、取り調べ時の「容疑者の供述の任意性」を確保するため、最大限に配慮したものになった。鹿児島事件の判決などでも、自白の信用性に疑問符が付けられた原因として「長時間、長期間にわたる追及的、強圧的な取り調べや取調官による不適切な言動があった」と批判されたからだ。
このため指針では、取り調べ中の捜査員が誤解を受けないよう特に注意しなければならない行為として、(1)容疑者の身体への接触(2)直接・間接の有形力の行使(3)不安を覚えさせ、困惑させる言動(4)一定の動作や姿勢を取ることの強要(5)便宜供与(の申し出)や、その約束(6)容疑者の尊厳を著しく害する行為(7)警察本部長や署長に無断で行う一定時間外の取り調べ-の7つを類型化。
今後、より細かい基準を策定し、国家公安委員会規則に規定。容疑者らからクレームを受けた場合、監督担当者が容疑者本人や取調官に直接面接するなどして調査。問題の有無は、警察本部の監督部署に報告される。
さらに監督担当者は必要に応じ、取り調べ中の室内の様子を透視鏡などで観察。従来、捜査管理のために作成されていた取り調べ状況報告書も、作成と同時に閲覧できる仕組みとなり、取り調べの“ガラス張り”化を目指す。
警察庁は今回、捜査部門の“聖域”だった取り調べを他部門から監視・監督させることで適正さを担保する手段を選んだ。この制度が効果的に機能し、その状況が国民の目に見える形になれば、警察は国民の信頼を取り返すことにもなるだろう。
一方で裁判員制度導入を見据え、取り調べが適正に行われることを国民の代表である裁判員に示す目的もある。
しかし捜査段階で犯行を認めた被告が「自白は警察官に強要された」と主張し否認に転じた場合、短い審理の中で裁判員の心証形成が困難になることも予想される。
指針について警察庁OBは「国民の間には、取調官が圧倒的優位な立場を背景に、容疑者に対し不適切なことをするのではという不信感が依然としてある」と指摘。その上で「信頼回復には指針を厳格に順守し、制度の透明性を確保しなければならないが、当面は現場が萎縮(いしゅく)しないよう、警察庁が指導力を発揮する必要がある」と話している。(加藤達也)
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