偽名のまま、窃盗事件の裁判で有罪判決が確定し、裁判当時に国選弁護人の選任届に偽名で署名したとして有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた男の初公判が29日、大阪地裁(丸田顕裁判官)で開かれた。男は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
男は住所不定、無職、野村肇被告(76)。偽名のまま有罪判決が確定したのは異例で、弁護人に「プライドがあり、自分の名前で刑を受けるのが嫌だった。思いつきで偽名を使ったらそのまま公判が進んでしまった」などと話しているという。
起訴状などによると、野村被告は平成15年8月4日、大阪府八尾市内のスーパーで食料品を万引したとして窃盗の疑いで八尾署に逮捕され、同月27日、署内で国選弁護人の選任届に「山根準一」という偽名を記して大阪地裁に送付。偽名のまま窃盗罪で起訴された後、地裁で審理が進み、同年10月8日、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡され、確定した。
しかし昨年12月、同市内のスーパーで再び食料品を万引したとして店員に通報され、八尾署員が調べたところ、野村被告が乗っていた自転車が盗品と判明。指紋を採取し前科前歴を照会した結果、山根準一の名前で一致したため当時の偽名が判明し、有印私文書偽造・同行使と占有離脱物横領の罪で起訴された。
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